中国世界遺産(自然遺産)紹介

中国生活

 中国のユネスコ登録の世界遺産は全部で55件あるようです。日本は23件ですので、中国は日本の倍以上の数があります。内訳は文化遺産37件、自然遺産14件、複合遺産4件です。今回はそんな中国の世界遺産の中の自然遺産をご紹介します。

■中国自然遺産一覧
(1)九寨溝の渓谷の景観と歴史地域(1992年)
(2)黄龍の景観と歴史地域(1992年)
(3)武陵源の景観と歴史地域(1992年)
(4)雲南の三江併流保護区(2003年)
(5)四川ジャイアントパンダ保護区群(2006年)
(6)中国南方カルスト(2007年・2014年拡大)
(7)三清山国立公園(2008年)
(8)中国丹霞(2010年)
(9)澄江の化石産地(2012年)
(10)新疆天山(2013年)
(11)湖北神農架(2016年)
(12)青海可可西里(2017年)
(13)梵浄山(2018年)
(14)中国の黄海=渤海湾沿岸の渡り鳥保護区群(2019年)

■詳細紹介
(1)九寨溝(Jiǔzhàigōu)の渓谷の景観と歴史地域(1992年)
 四川省アバ・チベット族チャン族自治州九寨溝県にある自然保護区。カルスト地形として世界的に有名で棚田状に湖沼が連なっており、また石灰岩の成分が沼底に堆積しており、日中と夜で青やオレンジに見えるとのことです。また透明度が非常に高く、20mの水深でも底が見えるとのことです。
 ジャイアントパンダの生息地としても知られています。

※カルスト地形とは
 石灰岩などの水に溶解しやすい岩石で構成された大地が雨水や地下水等により侵食されて出来た地形のこと。九寨溝の他にも、この一つ下にある黄龍もそうで、世界にもアメリカのイエローストーン国立公園やトルコのパムッカレにもみられるようです。

 私が思い浮かぶ中国の自然遺産はこちらが一番です。山も川、湖も大好きですのでぜひ行ってみたいです。しかし2017年の地震とコロナの影響で中国籍以外の方は観光不可とのことです。一刻も早く元に戻って頂きたいものです。

fannyssによるPixabayからの画像
Panlong LiuによるPixabayからの画像

(2)黄龍(huánglóng)の景観と歴史地域(1992年)
 四川省アバ・チベット族チャン族自治州松潘県にある景勝地。岷山山脈の山の山頂(標高5100m)から7.5kmに伸びる峡谷。こちらも九寨溝と同じく世界有数のカルスト地形とのことです。

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(3)武陵源(wǔlíngyuán)の景観と歴史地域(1992年)
 湖南省張家界市にあり、張家界森林公園、索渓谷自然保護区、天子山自然保護区などの自然保護区の総称のようです。高さが200mを超える石の柱が3100本以上も立っているとのことです。映画アバターのモデルとも言われています。

Photo by Alexander Schimmeck on Unsplash

(4)雲南の三江併流(sānjiāngbìngliú)保護区(2003年)
 チベット高原に源を有する三つの川、金沙江、瀾滄江、怒江が雲南省北部のデチェン蔵族自治州及び怒江リス族自治州を平行に流れている1,698,400haに及ぶ地域。動植物が豊富なことから世界遺産に登録されているとのことです。この地域にはなんと世界の動物の25%が生息していると言われているそうです。動物好きには堪りませんね。

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(5)四川ジャイアントパンダ保護区群(2006年)
 面積9245km2の7つの自然保護区と9つの自然公園からなりジャイアントパンダの30%はこの地に生息しているとのことです。
 パンダは日本でも大人気ですね。私も見に行ってみたいものです。ただあくまでも可愛い見た目の熊であることをお忘れなく。喧嘩になったら勝てません。

(6)中国南方カルスト(2007年・2014年拡大)
 中国南部にみられるカルスト地形の代表例。中国にはカルスト地形が多々有るようですね。2007年に雲南省石林、貴州省茘波、重慶武隆が登録、その後2014年に桂林、施秉、金仏山、環江が追加された。下記の写真は桂林です。

(7)三清山(sānqīngshān)国立公園(2008年)
  江西省上饒市玉山県と徳興市の境界に位置し懐山山脈にある。道教の名山で景観が良好。道教とは中国の三代宗教の一つ(他二つは儒教と仏教)

Photo by Wolf Wikgren on Unsplash

(8)中国丹霞(dānxiá)(2010年)
 中国南部の赤い堆積岩が織り成す地形。
 貴州省の赤水市の赤水西部と赤水東部 、福建省の泰寧県の泰寧北部と泰寧南部、湖南省新寧県にある崀山 (lǎngshān) 、広東省韶関市仁化県にある丹霞山、江西省貴渓市にある竜虎山、浙江省江山市にある江郎山 の顕著にみられる9箇所が登録されているそうです。

(9)澄江(chéngjiāng)の化石産地(2012年)
 雲南省玉渓市澄江市にある化石の産地。カンブリア期の生態系を考察する上で非常に重要な澄江動物群が産出した地域のようです。

(10)新疆天山(xīnjiāngtiānshān)(2013年)
 複数の国ににまたがる天山山脈のうち新疆の4つの自然保護区。最高峰のトムール(別名ポベーダ山)は標高7443m。

talent_show1992によるPixabayからの画像

(11)湖北神農架(Shénnóngjià)(2016年)
 湖北省に位置する省直轄林区。現在中国では林区はこちらしか無いようです。大巴山脈の東端に位置する自然豊かな地域。

Photo by Steven Qian on Unsplash

(12)青海可可西里(Kěkěxīlǐ(2017年)
 可可西里(フフシルまたはココシリ)はチベット高原北部の西蔵自治区の北部と青海省の西南部にまたがる山地。世界で第3位の大きい無人地帯のようで原始的な自然状態がほぼ維持されているようです。世界遺産に登録されている青海可可西里の面積は3,735,632ha(37356km2)で、東京ドームの約79万個分です。さすが中国、規模が違います。

Photo by Junyao Yang on Unsplash

(13)梵浄山(2018年)
 貴州省銅仁市にあり、武陵山脈の主峰。ここでしかみられないキンシコウやハンカチノキなど貴重な動植物が数多く生息しており自然遺産に登録されたとのことです。中国十仏教名山の一つで、弥勒菩薩の聖地としても有名なようです。

孟修 李によるPixabayからの画像

(14)中国の黄海=渤海湾沿岸の渡り鳥保護区群(2019年)
 江蘇省塩城市にある自然保護区。黄海海岸に沿って444キロメートル、453,000haに渡って広がっていて中国最大の海岸隊保護区のようです。タンチョウの越冬地としても有名なようです。

Photo by YUE LIU on Unsplash

 以上で中国の自然遺産の紹介を終わります。こうしてみると自然遺産は南部、または西部に多いですね。皆様は何箇所くらい行ったことがありましたでしょうか?
 私は中国の自然遺産はまだどれも行ったことがありません。14番目は江蘇省塩城で蘇州からも近く機会があればぜひ行ってみたいと思います。
 それではまた次回。

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